Nemuki+(ネムキプラス) 2016年 01 月号 雨柳堂夢咄、「冬の宴」 感想
※ネタバレ注意です※
今回のお話は、猫好きにはたまらない、モフモフ感いっぱいのお話でした!
寒い冬の夜、お腹を空かせて歩いているひとりの男の子が、化け猫3匹が外で宴会をしているところに紛れ込むところかお話は始ります。
この少年・松吉は、修業先のお店で怒られてしょんぼりしていたのですが、そこに化け猫です。
彼の修業先は三弦師、つまり三味線を作る職人さんで、三味線と言えば猫の皮を使うわけですから、猫の化け物にあったしたらとり殺される!とビビったのですが、猫たちは気さくで優しい化け猫たちでした。
凍えた松吉を優しく抱きしめてくれて、そして励ましてくれます。
この猫たちはみんな女性だったようです。
少年に優しくて、その上モッフモフなので物理的にも暖かいんです。
三弦師なんて猫からすれば恨まれるような職業でしょうが、背中を押してくれたおかげで、松吉はまっすぐ三弦師への道を歩み始めます!
朝起きた時には夢だったのかな?という顔をしていますが、彼の人生にとても大切な出会いになったのではないでしょうか?
さてまた別のある日、ひとりの女性が顔を傷らけにして、ふらふらと歩いてきます。
どうやら旦那さんとケンカして家を飛び出してきたみたいですね。
三味線の音に魅かれて化け猫3人の宴会に途中参加することになりますが、あまり驚かず逆に私にも三味線かして、なんて言ってその場に混ざってしまいます。
彼女は昔芸妓さんだったのに、稽古するのが嫌で結婚に逃げてしまったようですが、実は後悔していたんじゃないのでは?
化け猫のひとり、楓姐さんから三味線を借りて弾いてみると、音に状況が現れてる、と猫たちからダメ出しを受けてしまいます。
自分自身に思い当たることがあったんですね。
しょんぼりして自分も猫になりたいと言うと、まだ人間でやることがあるんでしょ?と言われて、この女性、小つるさんの目に何か光が入ったような、そんな表情になりました。
姉さんはこれで自分の中で、するべきことがわかったのかもしれませんね。
さて、化け猫3人組はその後も夜の宴会を楽しんでいたみたいですが、とうとう雨柳堂さんが迎えに来ます。
楽しんでたのに残念ですね。
迎えに来た雨柳堂さんに、きゃーきゃー文句を言っているところは女の子のかしましい感じがして、ニヤニヤしてしまいました。
雨柳堂さんもやりづらかったでしょうね。
さてなんと、この3匹?3人?は掛け軸の中の絵の猫でした。
あんまりに上手だったから絵から抜け出して夜な夜な宴会をしていたのですね!
絵から抜け出しそうなくらい上手い!という褒め言葉がありますが、それが現実に抜け出てしまったみたいです。
変な妖怪じゃなくて、気さくで優しい猫たちで良かったですね。
きっとこの絵を描いた作者さんの猫を好きな気持ちが、ああいう優しい良い猫たちにしたんでしょうね。
しかし買い手がついたんだそうで、買われた先では抜け出さないでいてほしいですね。
その後、松吉は三弦師として売れ始め、姐さんはもう一度芸姑の道をちゃんと歩んで、そして成功したようです。
ふたりとも、夜に化け猫たちに会ってよかったですね。
次回はどんなお話でしょうか、とっても楽しみです!